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先輩であるエイミとミサワからいじめをうけている主人公マナブは昔から嫌な事があるとその記憶を無くしてしまう癖があった。いつものようにミサワに呼び出され屋上へ行くと、マナブへのいじめについて抗議する幼馴染のリサの姿があった。逆上したミサワがリサに掴みかかった瞬間からマナブの記憶は途切れてしまう。次に覚えているのは、首を切られ血の海に横たわっているミサワと、着衣を乱し気を失っているリサの姿だった。記憶が途切れ、曖昧な供述しかできなかったマナブは事件の容疑者として逮捕される。だが、護送中のパトカーが事故を起こしマナブはその隙に逃亡する。勢いで逃げたもののいつかは捕まってしまうだろう。「ならばせめて、捕まってしま...
主人公は某与党のうだつのあがらない二流議員。所属している派閥は主流派ではなく、地盤も薄く、内心忸怩たる思いを秘めつつ、議員活動をする日々。今回は当選したけれど、次回は……と噂されるような状況。愛人も囲いたいが、そんな甲斐性も無いし……。そんなある日、地方の旧家からの陳情のお願いでひなびた旅館へやってきます。旧家の主人から、なんとかその地方へ交付金を流して欲しいという話でした。普通ならスルーしてしまうような話でしたが、その旧家には美しい娘がいるという噂を聴いていた主人公は一目見てみたいというスケベ心でやってきたのです。交付金を流す交換条件として、その娘を一夜、夜伽の相手として差し出すなら考えない事も無いと...
俺『黄泉 武』は新しい学園に入って2年半の間色々な意味で普通じゃない女の子、『咲芝 伽羅』臆病だけど優しいクラス委員長、『松林 時雨』そして、悪友であり親友の輝に囲まれ、振り回されながらもそれなりに楽しい日々を送っていた。でも、心の奥にわだかまり……満たされない気持ちがあった。それは初恋の人、遠く引っ越してしまった七瀬への熱い気持ち……しかし七瀬との間には、簡単には超えられない距離があって……もう七瀬と会う事すら出来ないと思えたある日。信じられないけど……その七瀬が、父親の転勤で俺の通う学園に転入してきた。それは本当に嬉しくて……すぐにでも俺は七瀬に想いを伝えたかった。でも、もし七瀬が俺を好きじゃなかったら...
都内の私立大学に通う女子大生の主人公は、平凡そうな外見とは裏腹に人には言えない秘密の趣味を持っていた。彼女の趣味とはアブノーマルな快楽に耽ること。元々好奇心旺盛で行動的な彼女は雑誌で見たりふと思いついた様々な淫らな行為を数多く実践してきた。今日も淫らな妄想が頭のなかで膨らんでいく…。
それは、月の明るい夜のことだった。新米教師である不可咲貴路は、自分のクラスの荒れようを思いながら、失意の中で帰路を辿っていた。しかしその途中で、奇妙ないたずらに出会う。そのいたずらを仕掛けた少女・ローは、自分は人間では無いと主張し、<僕>を見つける旅の最中だと語る。そして、何者かに追われているのだとも。嘘をついているようには感じられないものの、荒唐無稽すぎるその話へ、困惑する貴路。ただ、とにかく夜中に一人で放っておけるはずもなく、少女を交番まで送り届けることにしたのだが…
主人公の“トモル”は、学園に登校してはクラスメイトと下らない話で盛り上がる……そんなごく普通の男の子。既に母親は他界し、とある理由から父とも離れ、この信太町で祖父と二人暮らしをしてはいるが、トモルの心に陰が差すことはない。ただ、時々わけもなく自分を「からっぽ」だと感じることがある。何がどう「からっぽ」なのか、トモル自身も知りたいのだが……。三学期が終わり、明日から春休みというある日。トモルは幼馴染の少女と、小さな山の中腹の神社に立ち寄った。そこで、顔見知りの少女と挨拶を交わしたあと、山の頂きを目指す。それは、彼にとってほとんど日課で、変わらぬ日常の一コマの筈だった。だが、この日、頂上で一人の女性に出会っ...
「あなたは……誰?」――――。夕暮れ時の砂浜。波打ち際に佇む彼女は、静かにそう言った。これが……彼女との初めての会話――。義父の仕事の都合で片田舎に引っ越しして来た“鏡蓮耶”は、その田舎……波洲美村の風景に馴染めずにいた。歩道は舗装されておらず、田舎道の横に広がるのは大きな田畑。見上げれば山々が連なり、少し歩けば潮の匂いが鼻腔をくすぐる……。蓮耶は隣町の学校に通うようになり、“柊なずな”、“笹百合小夏”、“錦悠莉”と出会う。仲間を得ながら、徐々に村に溶け込んでいく蓮耶。平穏な日々のなかで、蓮耶は一人の“少女”と出会い、彼女と一つの約束を交わす。そして「村祭」の日……いつものように仲間と過ごす蓮耶。そこで...