ボーイズラブ
瑞獣に選ばれた少女がたどる数奇な運命舞台は騒乱の時代。時の皇帝は病に倒れ、治世は乱れ、人々は平和な世を求めていた。主人公は幼い頃母親と死に別れ、数年前に勉学と礼儀作法、兵法などを教えてくれていた父親も失ってしまう。他に頼れる親類縁者もおらず、荒れる都で一人暮らしていた。そんなある日、主人公は国の瑞獣と言われている羽兎(うと)を見つける。羽兎は荒れた世に降り立ち、平穏な世に導くと国では言われている伝説の存在。目を疑う主人公に羽兎は「貴女こそ国の天命を見極めることのできる方」と言い、主人公の中に姿を消してしまう。羽兎に選ばれたことにより、主人公の運命が大きく動き出す。彼女が運命の果てに見る光景は――。
高校二年生の夏、わたしは依頼でとある田舎町に向かうことになった。四方を山に囲まれた人と妖の楽園。記憶にない、けれど懐かしい場所――「伊那砂郷」。そこでわたしは大切な人とこの夏を共に過ごす。わたしと一緒に郷に来た相棒の妖、“祇王”。依頼を紹介してくれた、ちょっと怪しい情報屋の“東雲さん”。血の繋がらない従兄妹で2年ぶりに再会した、“愁ちゃん”。仇を追う、少し寂しい瞳をした退魔師の後輩、“高虎くん”。そして、初めて逢ったはずなのに、なぜか懐かしい人、“薙羽哉さん”。簡単なはずの依頼は、謎の妖の出現によって一変する。敵対する妖たち……夜毎起きる怪異……わたしを誘う夢。思い出したくない……けど、思い出さなければ...
『颯太郎』と『はる』は幼馴染のいとこ同士。2人は男同士でありながら結婚し、一緒に暮らすことに。だけど、幼い頃からはるのことが大好きな颯太郎と違ってはるの方はただ祖父の遺言に従っただけ。鈍感なはるに、苛立ちを隠せない颯太郎。不器用なふたりが気持ちを通わせ、本当の夫婦になるのはいつ?
西洋の町並みと、現代の日本の町並みが入り交じった街『シブヤ』。その建物の間の裏路地で、ゴミ捨て場に倒れていた少年−ジュンナ−が目を覚ます。ジュンナは、いったい自分は誰なのか?なぜここにいるのか?ここは何処なのか?……自分の事が、全くわからなかった。狼狽する彼の前に、静かに浮かぶ、ヒナと名乗る少女が自分の目の前に現れる。彼女の「探して……」という言葉に、「何を?」と尋ねるも、急に近づいてくる走る足音に彼女ジュンナが足音の方を振り向くと、流れるような銀髪。黒く風に舞う外套をまとう一人の男とすれ違う。彼と目があった瞬間。彼の心の中に浮かび上がるのは、郷愁にも似た感情。の姿は壁の中に消えてしまう月明かりに消えた...
パラレル現代・東京、中華風の街並みで巻き起こる耽美系軍事ストーリー。軍部上層部に位置する主人公・さくらは、レジスタンス粛清の為、大量殺人を犯した。その罪を問われ、降格の憂き目にあったさくらの新たな任務は「ある荷物」を護送すること。さくらの行く手に待ち受ける出来事は?選んだ選択肢によって変わっていく切ないストーリー展開。荷物の内容とは何なのか?執拗にせまるレジスタンス達の真の目的は?軍の思惑とはどういったものなのか?荷物を運び、移動するさくらの前に現れる、多彩な登場人物。選択肢を選んで、決めてゆく彼らとの関係。大量殺人を犯して尚、感情の変わらないさくらの心を変える人物は現れるのか?果たして、さくらは彼らと...
自主制作映画を撮影をするために、古くからの伝承が残る孤島にやってきた若者たち。だが、やがて彼らの周囲で不可解な出来事が次々と起こり始める。みえるはずのないものの影と忍び寄る二人の男。遭遇する様々な事象が絡み合い、引き起こされる不可思議な事件。そして僕たちは回り始めた運命に翻弄されていく――。
もとホストの小早川はパチスロ好きで、ホストを辞めた時に退職金がわりにもらった、もと店の寮としても使われていた4LDKのマンションに一人で住み、部屋からそう遠くないホールによくかよっている。そこで顔見知りになった、スロプーでカプセルホテル暮らしの蒼井がある日サイフをスられてしまったことを知り、しばらく蒼井を自分のマンションに住まわせることにする。一時避難のつもりではじまった二人の同居だが、結局蒼井はそのまま小早川の部屋に住みついてしまう。小早川と蒼井が根城にしているホールにほど近いコンビニでバイトをしている大学生、西田は詐欺にひっかかってしまい、多額の借金を抱え込むことに。西田の苦境を知った小早川は放っておけ...