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在りし日の歌
作品情報
主人公の“トモル”は、学園に登校してはクラスメイトと下らない話で盛り上がる……そんなごく普通の男の子。既に母親は他界し、とある理由から父とも離れ、この信太町で祖父と二人暮らしをしてはいるが、トモルの心に陰が差すことはない。ただ、時々わけもなく自分を「からっぽ」だと感じることがある。何がどう「からっぽ」なのか、トモル自身も知りたいのだが……。三学期が終わり、明日から春休みというある日。トモルは幼馴染の少女と、小さな山の中腹の神社に立ち寄った。そこで、顔見知りの少女と挨拶を交わしたあと、山の頂きを目指す。それは、彼にとってほとんど日課で、変わらぬ日常の一コマの筈だった。だが、この日、頂上で一人の女性に出会ったことで、トモルは知らぬ間に得体に知れない運命の波にのみこまれていくのだった。
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