SEEK2 -SADISTIC BABYLON-
作品情報
北原雅之は、カメラマンである。昔はそれなりに夢や野望があった。しかし今は、生活のため三流SM雑誌のグラビアを撮って生計を立てている。そんな雅之へ訃報が届く。ドイツに住む義理の妹、マリノからの知らせだ。ドイツ人画商と再婚していた雅之の母が死んだらしい。とるものもとりあえずドイツへ向かう雅之。母の亡骸の前で悲しみに沈む兄妹。しかし、その悲しみすらつかの間の安息だったのかもしれない。高級乗用車からあらわれた黒い服の男達の一団が、マリノをさらっていったのだ。1年前に死んだ養父、ラルフ・パレンバーグは、男達に「飼育」という絵を手に入れる約束で1億円を前渡として受け取っていた。「飼育」とは、日本が世界に誇る稀代の縛り絵師故沢渡博之の描いた絵である。母が亡くなった今、男達は「飼育」を手に入れるか1億円を返すかを、雅之にせまる。それがかなうまでと、マリノを連れ去ったのである。雅之は途方に暮れる。どちらも、今の雅之には果たせることのないように思えるからだ。そんな雅之の元に李麗蘭(レイラ・リー)という女があらわれる。麗蘭の営む調教館で働けば、1億円を融資するというのだ。もちろん麗蘭の提案は甘いものではない。約2ヶ月に及ぶテスト期間を経た後に融資。そして、その後は調教館の主人として1億円を返済せねばならない。苦悩し、金策に走る雅之。しかし、万策つき、雅之は麗蘭の調教館の扉を叩くことになる。世界中の著名なSMマニア達が、最高の女達を最高の牝奴隷に仕立て上げるという、この世に存在すること自体がタブーに満ちた、禁断の館へ…幻の縛り絵「飼育」の行方はどこに?暗躍する香港マフィア「龍爪(ドラゴンクロー)」、怪しげなマニア達が集まる世界的秘密SMクラブ「黒い薔薇」、旧ナチスドイツ、SS医師団の残した秘密、そして、さらわれたマリノの運命は!?雅之はSM調教師としての仕事をこなしながら、複雑に絡み縺れた運命の黒い糸を解きほぐしてゆくことができるのか!?